世界中のFX投資家が注目しているのが、各国が定期的に発表している経済指標だ。事前に予想された経済指標の数値(予想値)と、実際の発表値に大きな差がなければ、為替レートは大きく動かないが(織り込み済み)、予想値と発表値が大きく異なると、為替レートが大きく変動することもあるので注意が必要だ。定期的に発表される経済指標以外に、国の財務関係者といった要人の発言も、為替レートに大きな影響を与えることがある。
米国の政策金利は、FOMCの会合の後、発表される。FOMCの会合では、マネーサプライの目標値や金利の調整、外国為替市場への介入など、米国の金融政策について話し合われている。
米国内で一年間に生産されたモノやサービスの付加価値の総額を表す。米国GDPは日本の1次速報より1カ月ほど早く発表されるため、特に速報値の注目度が高い。米国GDPの大きさは世界第1位を誇り、世界全体のGDPの約25%を占めているため、世界経済全体に大きな影響を及ぼす経済指標とされている。
米国の景気状況を探るうえで最もわかりやすい指標であるため、米経済指標の中で最も注目度が高い。米国の景気状況を写す最新の指標であることも注目される要因。景気低迷期の失業率発表直後は、金融緩和が実施されるかなどの政府の対応にも注目が集まる。非農業部門雇用者数は、毎月15万人程度の増加が景気回復の目安とされている。
FOMC議事録はFOMC(米連邦公開市場委員)の議論内容を公表するもの。議論内容は、FRB(米連邦準備 制度理事会)当局が政策金利決定する際の背景やインフレ動向、米経済の見通しなどで、今後の米経済と為替相場を見極める上で重要な位置づけにある。
公表直後に為替相場が動くことも多く、公表時間は日本時間の午前3時(夏時間)と早朝であるため、ポジションの調整など取引にも注意が必要だ。
非製造業における企業のセンチメント(心理)を反映する景気転換の先行指標。300社以上の購買担当役員にアンケート調査を実施し、「事業活動・新規受注・雇用・入荷遅延」の4項目(比率は各25%)につき、前月と比較して、「良い、同じ、悪い」の回答結果をもとに算出される。50%を上回ると景気拡大、逆に50%を割り込むと景気後退を示唆しているとされる。
製造業の最重要指標の一つで、景気転換の先行指標。主要経済指標の中で、最も早く発表されることから注目度が特に高く、個別の構成指数の内訳は景気動向の参考とされる。
製造業300社以上の購買担当役員にアンケート調査を実施し、「新規受注・生産・雇用・入荷遅延・在庫」の5項目(比率は各20%)につき、「増加、同じ、減少」の回答結果をもとに算出され、ISM非製造業景況指数に同じく、50%が景気動向の良し悪しを測る分岐点となっており、50%を上回ると景気拡大、逆に50%を割り込むと景気後退を示唆しているとされる。
米国の給与計算アウトソーシング会社であるADP(Automatic Data Processing:オートマティック・データ・プロセッシング社)が発表する雇用に関する調査統計のこと。雇用統計と並んで重要な経済指標の一つとされている。
米地区連銀による各地域の経済状況をまとめた報告書のこと。報告書がベージュ色であるため、ベージュブックと呼ばれている。
ECB理事会は、総裁・副総裁を含むECB役員とユーロ圏の各国中央銀行総裁により構成されている。ECB理事会は通常月2回開催され、1回目の理事会でユーロ圏の政策金利等の決定が行われ、下旬に開催される2回目の理事会では金利を変更しないことが決められている。
Eurostatユーロスタット(欧州統計局)が発表する、ユーロ圏16カ国(EA16)、欧州連合27カ国(EU27)のGDP(国内総生産・経済活動に関する各種統計)を見て、ユーロ圏全体の景気動向を予測する。
欧州消費者物価指数は、統一基準に基づいてユーロ加盟国ごとに集計し合成される。 ECBは物価安定を「ユーロ圏のHICPが前年比2%以下であること」としているため、金利の動向を予測する上で、注目度の高い指標となる。
ドイツZEW景況感調査指数は、ドイツの民間調査会社欧州経済研究センター(ZEW)が、6ヶ月先の景気は「良くなるか」「悪くなるか」を機関投資家、金融機関の調査部、市場関係者、アナリストなどにアンケート調査し、発表される。IFO指数の一週間前に発表されるため、注目度の高い指標であり、CBの金融政策にも大きな影響を与える場合もある。
ドイツ政府の経済研究所であるIFOが毎月発表しているドイツの景気に関する統計のこと。ドイツ国内を対象とした統計ではあるが、ユーロ圏のGDP約30%を占めるドイツの景気は、欧州全体の景気に大きな影響を及ぼすため、注目度の高い経済指標とされる。
ドイツの企業約7000社の経営者を対象に、現在と今後6ヶ月の景況感についてアンケート調査を行い、現在の景気についての判断を示す「現況指数」と半年後の見通しを示す「期待指数」をもとに、景況感指数を算出される。絶対的な基準として100を越える傾向が長引くと景気過熱を抑制するため、利上げが実施される可能性が高くなる。
BOE政策金利は、BOE内に設立されたMPC(Monetary Policy Committee:イングランド銀行金融政策委員会)の9人のメンバーの多数決によって決定される。BOE政策金利が上がるとスワップ金利も一緒に上がるので、高金利通貨欲しさにポンド買いが増えて、ポンド高になりやすくなる。反対に、下がるとスワップ金利も下がり、景気悪化を懸念してポンド売り(ポンド安)が起こる。ポンド売りが殺到すると、リスク回避通貨として、超低金利の日本円やスイスフランといった安定通貨に買いが集りやすくなる。また、英国との貿易が盛んな米国、ユーロなどの主要通貨へも影響を与えやすいため、注目度が高い経済指標とされている。
英国の景気動向は、米国に先行する傾向があるため、世界経済の先行きを予測する上で注目される。
2009年第4四半期に漸く、GDP成長率が先進国の中で最後にプラス成長に復帰(実質成長率は対前期比0.4%伸び)、2010年第1四半期のGDP成長率(5月25日発表改訂値)は前期比0.3%。しかし、家計の債務返済に伴う消費低迷、銀行の貸渋りが続き、本年は1%台半ばの景気回復の見通し。
英国の民間調査会社Markitが集計する景気指数のこと。企業の業況感を捉えるもので、毎月の景気動向を伝える第一報として、政府機関が発表する同種のデータに先行して発表される。
消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)は、消費者が支払った商品やサービス費用の変化を示す指数のこと。英国は英国立統計局(ONS)から発表される。食料価格を除外した指数で、インフレ動向をより正確に反映されるため、国内のインフレ動向を測る基本的な指数として、金融政策の方向性を予測するうえで利用される。消費者物価指数(CPI)が上昇していると、インフレになっていることを示し、予想以上にインフレが進むと中央銀行は金利を上げて、インフレ率を調整する政策がとられる。
反対に、消費者物価指数(CPI)が下落していると、デフレになっていることを示し、金利を下げて、お金を借りやすくして、経済を活性させる政策をとる。
鉱工業生産指数は、企業の生産活動の状況を表す指標で、鉱業と製造業が生産をしている量を指数化したもの。指数として、生産、出荷、在庫、在庫率が提供されている。速報性も高く、鉱工業の生産活動を見る上で最も重要な指標とされている。英国は英国立統計局(ONS)から発表される。
一般的に鉱工業はGDPに占める割合が高いため、経済全体に及ぼす影響も大きい。つまりGDPとの相関性が強く、GDPの発表が四半期ごとであるのに対し、鉱工業生産指数は毎月発表されるので、速報性があり、景気を把握する指標として重要視されている。
「業者÷労働力人口×100」で定義され、景気と相関があるとされる。英国立統計局(ONS)が発表。
豪中央銀行(RBA)が毎月開催する金融政策決定会合。注政策金利の変更がない場合は公式記者会見は開かれない。
ABS(オーストラリア統計局)から発表される。2007年まで豪州経済は堅調に発展してきたが、2008年の世界的不況の影響等により減速。こうした状況に対応するために、豪州準備銀行(RBA)は2008年8月に7.25%であった政策金利を3.0%まで段階的に引き下げ、年金給付増、住宅取得支援策など緊急経済対策を実施。その後は一貫してGDP成長率はプラスを維持している。
RBA(オーストラリア準備銀行)は、1月を除く毎月第一火曜曜日に金利政策決定会合を行い、その時の会議内容が議事録として2週間後に発表される。議事録の内容で、9人中何人が賛成したかや、政策金利を決定した理由などがわかるため、次回の金利政策の内容を予想する上で重要な指標とされている。
小売売上高は、小売業の売上高を合計した数値化したもの。個人消費の動向を見極める重要な指標とされている。耐久財・非耐久財の各項目が発表されるが、自動車販売の割合が高いため、それを除いたコアが重要視される。
豪統計局より発表される。他の主要国と比べて、注目される経済指標が少ないため、雇用統計も景気動向を予測するうえで重要視される指標のひとつとされる。
消費者物価指数(CPI)とは、物価の変動を表わす指数。インフレの状況をみる指標としては最も一般的であり、金融当局の政策を読むうえで重要な指標とされる。消費者物価指数(CPI)が上昇していると、インフレになっていることを示す。予想以上にインフレが進むと中央銀行は金利を上げて、インフレ率を調整する政策がとられ、逆に、下落していると、デフレになっていることを示す。デフレになると中央銀行は金利を下げて、お金を借りやすくして、経済を活性させる政策をとる。
NZ(ニュージーランドドル)は高金利通貨であるため、金利動向の注目が高く、金利動向次第では市場が 大きく動く場合がある。また、金融政策報告も同時に発表され、経済や市場状況について詳細な報告が行われる。
ニュージーランド経済は外部に依存する部分が大きいため、GDP構成項目のうち輸出および輸入の対GDP比はそれぞれ2割程度にのぼる。
小売売上高は、小売業の売上高を合計した数値化したもの。個人消費の動向を見極める重要な指標とされている。耐久財・非耐久財の各項目が発表されるが、自動車販売のウェイトが高いため、それを除いたコアが重要視される。
ニュージーランド統計局より発表される。景気状況を写す指標であることで注目される。失業率発表直後は、経済対策が実施される場合もある。
景気や産業構造と相関があるとされ、注目される指標のひとつ。
南ア準備銀行はインフレ・ターゲット(物価上昇率があらかじめ定めた目標水準になるように政策を実施すること)を採用しており、CPIXが3~6%の範囲内を超えると政策金利を変更する可能性が高い。
近年は主力産業であった鉱業の比率が減少を続けている一方、金融保険の割合が拡大している。貿易構造は、鉱物資源輸出への依存が依然として高く、輸入では先進国からの機械類の比率が高い。
抵当金利分を除いた消費者物価指数(CPIX)に注目。南アフリカ準備銀行はインフレターゲットを採用しており、CPIXが3-6%の範囲におさまることを目標としている。同指標の結果が金融政策に影響を及ぼすため、注目度は低くない。
2日間ある日銀金融政策決定会合の2日目12時前後に発表される。重要な決定が出る場合は、発表が遅れて13時以降にずれる場合もある。金利発表後、日銀総裁からの会見が開かれ、金利決定の要因と現在の景気の考察などが語られる。相場が動くこともあるので、発表時間には注意が必要。
発表時期が遅いため、他国のGDPよりも市場への直接の影響も限定されるケースが多い。海外からの投資収益の季節変動が大きいことなどから、日本の場合はかなりブレが生じる。




